TOP MENU旅紀行>井王野・東山道

風まかせ旅紀行

栃木県・井王野から東山道を巡る


2005年8月28日(日)

前日土曜日は台風一過で暑さと夏空が戻り、自転車で遠出するような天気ではありませんでしたが、いや、それでも近所の散歩コースを37km程ユルユルと流しましたっけ。帰ってきて天気予報を確認すると、気温も低いというほどではありませんが暑くはなさそうだし、曇りということでジリジリと日に焼かれることもなさそう。

そんなわけで、以前から考えていた、栃木県内の黒磯・井王野方面へ行ってみることにしました。夏休み最後の日曜日ということで、車での移動は遠慮して輪行することに。こっちの方が早いし、安上がりだし、寝ていけるし、ついでに排ガスも出しませんし。

地理院地図によるルート表示はこちら(別Windowで表示します)

photo-j20050828-1
早朝のさいたま新都心駅
当日、午前5時に起きて、午前5時半頃に2号車と共にゴソゴソと出発。今日は大宮駅ではなく一つ手前のさいたま新都心駅へ向かいます。大宮駅よりもさいたま新都心駅のほうが、輪行パッキングする場所を確保しやすくて、ホームまでの距離も短いので便利です。

こうして高崎線・宇都宮線下りホームにたどり着いたのは午前6時10分過ぎ。流石に閑散としてますね。コーヒーで一息入れながら6時32分発の宇都宮線普通下り電車を待ちます。


photo-j20050828-2
黒磯駅の重厚な扉
宇都宮駅で黒磯行き普通電車に乗り換えて、たどり着いた黒磯駅黒磯駅と言えば、那須御用邸に向かうお召し列車も使う駅ということで、普通電車のホームにも、こんなニス塗りの立派な専用出入り口が有ります。初めて見たかも。ただ、最近、お召し列車が走ったなんて話聞きませんから、ずいぶんの間開けたこと無いんでしょうね。最近は新幹線を利用してらっしゃるんだっけ?


photo-j20050828-3
富士見峠を越えて
黒磯駅を出発して、県道178号線に入り、「道の駅東山道井王野」を目指します。途中ちょっとしたアップダウンが有って、地図を見ると富士見峠の文字が。峠を下ってパッと視界が開けるとこんな田圃風景。刈り入れ前に来ると綺麗だろうなぁ。


photo-j20050828-4
会津若松まで行ってみたいなぁ
県道178号線と県道60号線の交差点に来ました。青看板には”会津若松 白河”の文字が! 県境が近いんだなと実感。さて、今回は一旦栃木・福島の県境まで登り、折り返して黒羽へ向かうルートですので、左に曲がってさらに進みます。


photo-j20050828-5
道の駅「東山道井王野」
交差点から程なく「道の駅東山道井王野」に到着。が、ゆっくり休憩するまもなく出発する羽目に。なぜかというとパラパラと雨粒が落ちてきたんです。このまま直ぐに黒羽に向かって南下しても良いのですが、折角ここまで来たので、東山道の栃木・福島の県境まで登ってみることにしました。


photo-j20050828-6
東山道に沿って伸びる町並み
井王野の町並み。現国道294号ではなく、県道28号線つまり東山道に沿って町並みが伸びています。古くからの街道である何よりの証ですね。ここから県境に向かって11km程ひたすら上り坂が続くことに。


photo-j20050828-7
県境まで来た
11km続く登りをひたすら漕いで漕いで、勾配が急にきつくなって程なく福島県の案内板が見えてきます。おお、福島県だ! 思わず峠を福島県側に下って行きたくなりますが、今日はグッとこらえて引き返します。


photo-j20050828-8
県境にある神社
峠にある追分の明神と、大杉。前に”奥の細道”関係の本に目を通したときに由来を読んだと記憶があるのですが、忘れてしまった。。。で、webを探してみると、有りました、そうそう、坂上田村麻呂が奥州遠征の際に勧進した物だと伝えられている、ということです。義経は、奥州から鎌倉へ向かう際にここを通った、とされています。


photo-j20050828-9
従是北白川領
追分の明神とは道を挟んで反対側にある「従是北白川領」の石柱。白河って、昔は白川って書いたんですね。これは確か江戸時代に建てられた物だったはず。「白川領」の「川」と「領」の間で折れた形跡があります。


photo-j20050828-10
本日の装備
さて、これは峠から下ってくる途中の一枚。登っているときは、わざわざ停まって写真撮るのが面倒で(^-^; あ、ここ帰りに寄って写真撮ろう等と考えながらひたすら漕いでました。
今日のツーリング装備はこんな感じです。ハンドルに括り付けてあるのは輪行バッグ。ハンドルステムの上にGPSを付けてます。ダウンチューブ側のボトルゲージに入っているのは長袖シャツ。半袖のサイクルウェアだけだと電車の中は寒いくらいなので、途中までこれを羽織ってました。サドルバッグにはパンク修理キットと工具、応急セット、換えのTシャツが入ってます。携帯ポンプはシートチューブの向こう側に取り付けてあります。デジカメやら財布やらは腰のウェストバッグに。地図は、走る予定の部分だけコピーして持ち出しました。


photo-j20050828-11
これが古道
これまた下っている途中の一枚。こんな道が東山道。現在の奥州街道が整備される以前、6〜7世紀頃はこれがメインルートだったわけですね。


photo-j20050828-13
まだまだ緑の濃い田圃
井王野の町まで戻ってきて、今度は県道27号線でひたすら南下します。田圃風景が延々と続くなかを快走。カンカン照りの天気じゃなくて助かりました。


photo-j20050828-14
芭蕉縁の黒羽市に来た
県道27号線を快走するうちに黒羽町(現・大田原市)の市街地に到達。かつての宿場町の雰囲気が残ってますね。ここは松尾芭蕉が「奥の細道」紀行の際に立ち寄った土地としても有名です。相変わらず下調べが足りなくて句碑を見ることが出来ませんでした。


photo-j20050828-15
那珂橋を渡る
黒羽の町を抜けてそのまま県道27号線で南下するつもりだったのですが、ふと地図を見ると、そう遠くない場所に「道の駅那須与一の郷」があります。ちょいと休憩しようということで、那珂川を渡って国道461号で大田原市方向へ。
那珂川には釣り人が沢山繰り出してました。鮎つりかな?


photo-j20050828-16
ソフトクリーム休憩
程なく着いた「道の駅那須与一の郷」でソフトクリーム休憩。これはブルーベリー。250円也。新しい道の駅らしく、まだ建設中の建物もありました。ソフトクリーム休憩の後は、再び国道461号を黒羽に向かって走り、さらに県道27号線に入って南下を続けます。


photo-j20050828-17
県道27号線沿いの石仏
県道27号線、小手沢集落近くで見かけた石仏。かなりの時代の物でしょうか?すっかり摩耗してまあるくなっています。


photo-j20050828-18
快適な県道27号線
上と同じ地点から撮影した県道27号線。進行方向とは逆ですが。こんな感じの二車線の道が続きます。車も少なくてサイクリストにはありがたい道です。ただ、コンビニに全然行き当たりませんが(^-^;


photo-j20050828-19
馬頭温泉
那珂川を右手に南下を続け、道は県道298号線に入ります。馬頭温泉郷の一角にある馬頭町営の温泉ゆりがねの湯。ああ、ここでお終いだったら入るんだけどなー。まだ今日の終点、宝積寺駅までは30km以上有ります。


photo-j20050828-20
県道233号線を烏山方面へ向かう
道の駅ばとう」に立ち寄って、補給食としてサツマイモパイとスイートポテトを購入。どっちも100円でした。「道の駅ばとう」を出て、那珂川を再び東側に渡り、県道233号線へ。これまたこんな2車線の道が続きます。車もほとんど来ませんでした。まず目指すはJR烏山線の大金駅です。大金、だって。良い名前〜。


photo-j20050828-21
名前にあやかりたい”大金”駅
久しぶりに来た大金駅。ここまで来れば輪行して帰ることが出来ますので、まずは一安心。今日の終着点、宝積寺駅までは、ここから県道10号線をまっすぐ行くだけです。ということで暫し缶コーヒー休憩。しかし、今日はほとんど食べずに走ってます。あ、ポケットにビスケット入ってたっけ。


photo-j20050828-22
今日はここ宝積寺駅から帰る
県道10号線に入ると車が急に増えます。幸いなことに、走った県道10号バイパス側には広くて段差がない歩道があります。歩道をのんびり走るうちに、県道10号線と宝積寺駅前に筒区道との分岐点に到達。まだ走れそうだなぁ、宇都宮まで足を伸ばすかな?とも思ったのですが、この先は交通量が多くなるばかりの道。予定通り宝積寺駅で終了とすることにしました。

宝積寺駅に到着したのは午後3時ちょっと前。直ぐに宇都宮行きの電車があったのですが、それは見送ることにしてゆっくりとパッキング&休憩。


今回の走行経路です。

GPSログは、こちら「log20050828_0.gpx」です。カシミール3DGoogleEarthでご覧下さい。走行距離は約100km、総上昇量は1,000mちょっとでした。

地理院地図によるルート表示はこちら(別Windowで表示します)


今回は、というか、今回も特に細かいルートを決めないまま行き当たりばったりでウロウロしてみたのですが、なかなか良いコースを選んだなぁ。

最初に登った東山道がとても良い雰囲気でした。秋になったら彼岸花が沢山咲いて綺麗なんだそうです。そのときは今回折り返した峠を越えて白河の関を越えてみたいなぁ。


ルートプロファイルです。26kmぐらいの有るピークが追分の明神、関東と白川領との境の峠です。その手前の「道の駅東山道井王野」から10km以上緩やかな登りだったことが分かりますね。


久しぶりの遠出でしたが、やっぱり知らないところを自転車で走ってみるのは、とても面白いですね。同じ知らない土地を走るにしても車では単に通過するだけになりがちですが。甲州街道に引き続いて、東山道や、奥州街道も走ってみようと思います。その前に、まだ甲府に到達していない甲州街道編を走りに行かなくちゃ。


All Photographs by Ryo Masuda 2005.
Took a photograph with IXY DIGITAL 500 by Canon.
Special Thanks 'ViX Ver.2.11.148.0'.1998-2002.


この記事は[2022.08.14]に加筆修正しました。

この記事のURLをQRコードで表示



Ryo Masuda / myDNS.jp / ryo-kun@fc4.so-net.ne.jp