風まかせ旅紀行
岩手県 一関-北上-花巻界隈 Vol.3
北上駅前のホテルに宿泊して二日目。実は泊まりでツーリングに出てきたのは、これがまだ3度目・・・。
話が脱線しましたが、北上駅東口のホテルをチェックアウトして、駅地下を通る連絡通路を使って駅の西口へ移動。ここから、先ずは高村山荘を目指します。
地理院地図によるルート表示はこちら(別Windowで表示します)
駅から少し離れた場所にある商店街。開いている商店もなければ人通りも皆無。朝8時過ぎと時間が早いせいだろうか。
一旦国道4号に合流して、少し北上。JR北上線を越えます。まっすぐ和賀方面に伸びるJR北上線。一度乗ってみたいなぁ。
JR北上線を越えて直ぐ、蒲谷地の交差点で県道245号線に入り西に向かいます。上り坂になっているのですが、緩やかで足に感じるほどではありません。
途中、県道245号線は北に進路を変えてしまいますが、それを無視して真っ直ぐ西へ。県道245号線から別れて3km強進み、県道13号線へ合流します。
緩やかな斜面で遮る物も無いためか、地吹雪緩和の為の防風柵(正式名称なんて言うんだろう?)が、作られていました。シンシンと降るイメージのある新潟県内でも上越のほうの平野部で見掛けることがあります(by元新潟県民)。窓のブラインドの超大型のものを思い浮かべて貰うと分かりやすい?
本当に広々としたところに来ました。さて、ここから県道13号線を少し北へ移動し、再び宇南川沿いの市道を西に向かう上り坂へ。やがて標高170m前後を走る県道37号線に出て、これを北に向かうと程なく高村山荘の案内板が目に入ってきます。
案内に従って県道から高村山荘へと入る道へ。高村光太郎も見たであろう風景。この日も、雨の心配こそ無いですが、どことなく気怠いモヤがかった空で、なかなか遠くを望むことが出来ません。まあ、6月末じゃあ仕方ないか。
午前9時半過ぎに高村山荘の入り口に到着。もしかして、まだ開いてないかな?(ここの見学は有料)と思ったら、もうチラホラと観光客が来ていました。結構有名なのかな、ここ。高村山荘の由来を記した案内板から、一部抜粋引用すると、
この高村山荘は、彫刻家並に詩人として名高い日本芸術界の巨匠と称されている高村光太郎が、宮沢賢治の縁で花巻に疎開その晩年七ヶ年を過ごされた由緒あるところで、その住居は鉱山の飯場小屋であった建物を移築したわづか7.5坪(25m^2)の粗末な山小屋で、幾多の困難に打ち耐えながら独居自炊、専ら真と善と美の究明に哲人の如き生活を続けられた。
なんだそうです。山荘なんていうと優雅な感じを思い浮かべますが、全く正反対でした。
二重の覆屋に守られた高村山荘。この小屋で岩手の冬を越すなどと想像すら出来ません。ちなみに一つめの覆屋(木造)は近隣の住人達が、木材を持ち寄り自分たちで建てたものなんだそうです。
外側の覆屋はこんな大きさ。午前10時になるかならないかの時間ですが、チラホラと見学者が来ていました。ここからちょっと奥に行ったところに、記念館があり所縁の品が納められています。自転車で訪れる人は珍しいのか、記念館を開けに来た管理人さんと二言三言遣り取り。
高村山荘を離れて、次に向かうのは宮沢賢治記念館。その途中で、北上川のイギリス海岸に立ち寄ることにします。まずは花巻市中心部に向かって降りていきます。まずは県道37号線を進みます。
今日も緑の絨毯が綺麗。靄っていて遠くが望めないのは昨日と同じだなぁ。
途中、県道37号線から逸れて、細い道を繋いで走ります。
その後は田んぼの中の車通りの少ない道を選びながら、花巻駅方向へ。車も来ないし快適〜。花巻南ICの北側をすり抜けて、更に進みます。
花巻駅の南側の跨線橋を越えて、そのまま真っ直ぐに行くと城内という地名に行き着きます。色々「〜跡」の案内が出てくるのですが、残念ながら現存する建物等は有りません。
こっちは東御門跡。かつての城内は学校と寺の敷地になっています。
そのまま道なりに坂道を下り始めると、左側に岩手軽便鉄道瀬川鉄橋跡を示す石碑が有りました。どうも通ってきたルートが廃線跡らしい。
北上川の右岸土手の上に来ました。宮沢賢治記念館に行く前に「イギリス海岸」を眺めていこうという訳で来たのですが、水量多い時期だからダメかもなぁ。
土手の上は、タイルで舗装されているのですが、軽便鉄道を意識してか線路状の模様が施されています。ただ、自転車だとちょっと走りにくい。
イギリス海岸までやって来ました。ちょっと驚いたのはGarmin eTrexの地図データにも、「イギリス海岸」の表示があった事。カメラマークになっている事は名所・史蹟として登録されているんだな。
予想通り水没していたイギリス海岸。凝灰岩質泥岩層が地表に露頭した場所なのですが、見た目がイギリスの海岸と似ている事から、宮沢賢治がそう名付けたそうです。実は、ここ10年ほど水没したままになっているらしい。
瀬川と北上川の合流地点に、地層が少しだけ露頭している所がありました。こんな白色の層が、北上川右岸に広がっている・・・んだそうです。見る事出来なくて残念。
イギリス海岸への散策道の入り口に咲いていた花。山吹色が眩しく目立っていました。
さて、イギリス海岸を後にして一寸だけ補給タイムを挟んで、宮沢賢治記念館へ向かいます。朝日橋を渡って北上川左岸へ。そのまま国道283号に合流して暫く進みます。
国道283号に入ってから2.3km程進み、国道456号との交差点で国道456号側に左折。思いがけずに現れた急坂を登りきり、降り始めた所に宮沢賢治記念館の入り口が有ります。ここから駐車場までが、また恐ろしい急坂で、途中で押して歩く羽目に。車で来る人の事しか考えてないんだろうな。
ここから先は北上駅に戻るだけなので、割とゆっくりと見学。昼の暑さを避けるという意味でも。もし北上駅に戻る時間が無くなっても、近くの新花巻駅へ行けば良いわけだし。
さて、宮沢賢治記念館の見学後、北上川まで戻り、花巻温泉自転車道で北上へ戻ります。とりあえず北上川まで戻ろう、でも同じコースを戻ったんじゃ面白くない〜と少しそれはルートを辿ってみたら、一里塚に行き着きました。中野一里塚といって、直ぐお隣の安俵へ向かう街道として整備された頃に作られたものらしい。一対が完全な形で残っているのは、花巻市内ではこれだけのようです。
一旦、北上川右岸に戻り、花巻温泉自転車道への合流地点を探して暫くウロウロ。右岸堤防沿いに案内でも出てるだろ〜と、特に何も情報収集せずに行ったのですが、右岸堤防からだと先ず見つからない(^-^; 国道沿いまで出てようやく把握。この自転車道、花巻駅前から花巻温泉に掛けてのルートが廃線跡を利用したものなので、そっちの方が面白そうなのですが、残念、今日は北上川沿いに北上駅に戻るルートです。
足下には、自転車道の方向を示す矢印が書かれています。矢印に従って、今度は朝日大橋を渡って北上川左岸へ移動。右岸まで戻らず、直接朝日大橋を目指せばよかったのか・・・。
北上川右岸堤防上を行く花巻温泉自転車道。ここへ来て南風、つまり向かい風が強くなってきました。まあ、後は北上駅に戻れば良いだけなのですが、それにしても遮るもののない堤防上で向かい風ってのは一番脚に堪えます。
最初は快適な自転車道、だったのですが、場所によってはこんな感じで、なにやら廃道状態に。というか、日曜日だというのに、全く誰ともすれ違いませんでした。自転車道を走らなくても、他に走る所は沢山あるからなぁ。
午後3時前に、朝出発した北上駅西口に到着。新幹線の時間までは30分程有ったので、ゆっくりとパッキング&着替えてから新幹線ホームへ。自宅到着は午後8時前。いやー、いざ行ってみると時間的には意外と近いんですね。新幹線様様だなぁ、もうちょっと安ければ、とは思うんですけどね。ということで、初めての岩手県ポタリングは大きなトラブルもなく、無事終了となりました。今度は秋田の方も行ってみたいけど、年内は無理だろうなぁ。
走行経路1、北上駅前から高村山荘までの走行経路です。28日のGPSログはこちら「log20090628_0.gpx」です。カシミール3DやGoogleEarthでご覧下さい。
地理院地図によるルート表示はこちら(別Windowで表示します)
走行経路2、高村山荘から花巻駅前を経由して宮沢賢治記念館までの走行経路です。
ルートプロファイルです。2日目の走行距離は64kmちょっとでした。
All Photographs by Ryo Masuda 2009.
Took a photograph with IXY DIGITAL 810 IS by Canon.
Special Thanks 'ViX Ver.2.11.148.0'.1998-2002 K_OKADA
この記事は[2023.12.27]に加筆修正しました。
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Ryo Masuda / myDNS.jp / ryo-kun@fc4.so-net.ne.jp