風まかせ旅紀行
新潟県 湯ノ谷-山古志-小千谷 vol.2
民俗資料館の交差点から、1kmも行かないうちに羽黒トンネルが見えてきました。前身の羽黒隧道も、中山隧道と同じく手作業で掘られた隧道で、その長さは500m超と中山隧道に続く長さでした。後に隣りに、車道用のトンネルが建設されました。見えてみるのは、そのトンネル。
地理院地図によるルート表示はこちら(別Windowで表示します)。
油夫側まで来ました。右側のほうが大きくて新しいので、後から建設された車道専用のトンネルかと思ったら、さにあらず。中越地震をきっかけに、手堀りの隧道を拡張して車を通せるようにしたんだそうです。左側の比較的狭いトンネルが、最初から車道専用として建設されたもの。現在はそれぞれのトンネルを上下線として使われています。
油夫側に設置されている羽黒トンネルの案内板。手堀りの頃の状態と、中越地震前後の写真が掲載されています。元の手堀り隧道は、車道専用トンネルの開通後、歩行者用として使われていました。
羽黒トンネルから古志虫亀に向かいます。等高線をトレースするように延びる道を進むと、ぱっと視界が開けて、これから向かう古志虫亀の集落が斜面に広がっているのが見えます。[左]
お!絵になる眺めと思ったら、皆さん考えることが同じらしく、ここでスケッチをする人達が居ました。向こうは、突如現れた自転車に驚いていましたが。「こんな所に自転車が!」って、別に普通に車道を走ってくればいいだけなんですけど、お爺ちゃん驚きすぎ(^_^; [下]
古志虫亀から小千谷へ向かう県道551号線、虫亀南荷頃線に入ります。ここのもうちょっと先が分岐点、、、なはずですが、一本手前で左折してしまいました。
さて、後は小千谷に向かってダウンヒル!と思ったら、結構な登りが待っていました。しかし登っただけの甲斐あって視界はドンドン開けてきます。走ってきた県道24号線の方もよく見えます。
こんな眺めが待っているから、苦しくても登りがやめられないんですねぇ。
金倉山へ延びる林道への分岐点を過ぎて少し登ると、一転して急な下り坂になります。土壇場で逆回りのコースにしましたが正解でした。ノーマルのBD-1では、まともには登れそうにない坂でした。
正面ちょっと左に写っている茶色い建物が、旧山古志村役場。今の長岡市役所山古志支所です。
ピークを過ぎて小千谷側に降りていきます。急坂の連続でブレーキレバーは握りっぱなし。ああ、当初の予定コースを逆にしてよかった。
国道291号に合流して、小千谷方向へ降りていくと、前方にスノーシェッド、その先にトンネルが見えてきます。スノーシェッドをくぐってトンネル入り口の直前に、旧道への分岐があります。[左]
朝日川沿いを進む国道291号の旧道。道沿いの民家が健在なので、廃道にならずに残っています。[下]
さらに進むと、トンネル状の建造物が! 横切っているのは新幹線高架。地上部分にもかかわらず、雪を避けるために、覆いが付けられています。乗っていると、やたら長いトンネルに感じられますが、実際には、このように地上に出てる区間があるんですよね。前後のトンネル状建造物は、その覆いから雪が道に落ちるのを避ける為に建てられているんじゃないかな?と想像。[左]
上越線沿いまで降りてきました。ここから先は平野部分。ここでロードレーサー1台とすれ違いました。そういえば今日はあまり自転車乗りと会ってないような。何でだろ?
ちなみにこの道路は上越線の旧線跡に沿っているんだそうです。何となく不自然に空いた空間が旧線跡だったとは、全く気が付きませんでした。[下]
上越線沿いに南下し、途中にある踏切で上越線の東側の細道へ。余りお目に掛かったことのない小千谷駅の裏側を横目に、休憩ポイントの道の駅「ちぢみの里おぢや」へ向かいます。
小千谷駅裏側から標高差30m余りの坂道を登っていき、国道17号を潜ると道の駅「ちぢみの里おぢや」に到着。数ある新潟県内の道の駅の中でも、最も立ち寄った回数が多いのが、この道の駅「ちぢみの里おぢや」。柏崎方面から帰る際も、新潟方面から帰る際も立ち寄りやすい位置にあるのと、なんと言っても21時過ぎまで営業している温泉が有ること。特に夜は割引になるので助かります。
道の駅「ちぢみの里おぢや」で一休みした後、旭橋で信濃川を渡って、信濃川左岸へ。[上]
旭橋を渡り、対岸の河岸段丘の上にある二荒神社に寄ってみました。こぢんまりとしていますが、よく手入れされた神社です。河岸段丘の端にあるので信濃川の川面がよく見えます。[左]
二荒神社を後にして国道117号を南下します。船岡山の下を回り込んで進む辺りは、昔ながらの街道の雰囲気が感じられていい感じです。オマケに車の通りが思ったより少ない。
国道117号を2km程進むと、斜面を下りる大きなパイプが見えてみます。これはJR東日本の自社水力発電設備で、3カ所ある信濃川発電所のうちの小千谷発電所。運用開始は1951年と、結構歴史の長い水力発電設備です。中越地震の際には損害を受け、暫く発電を停止していたようですが、現在は稼働中だそうです。送水管の手前に、もう一つ橋が架かっているのですが、これは国道117号の旧道。[左]
国道117号を越後川口方面へ進みます。[下]
越後川口ICの北側を回り込むように、農道を走り県道83号線の西倉橋に出ます。越後川口は名前が示すように、長野県からはるばる流れてきた信濃川と、湯沢から流れてきた魚野川が合流する地点です。西倉橋の下は信濃川。
次に魚野川に掛かる川口橋を渡って、魚野川右岸の国道17号に合流します。下流側には新しい橋が建設中。暫く橋脚だけが建っている状態でしたが、いよいよ右岸と左岸が繋がりました。取り付け道路の建設がまだだけど、今年度中には開通するのかな?
国道17号を800mほど進むと、関越自動車道の高架の直ぐ手前に道の駅「越後川口あぐりの里」が有ります。実はここ、上越線の旧線跡に建っているらしいのですが。
それはさておき、鉄パイプで仮設された案内板は「越後かわぐち震央街道」の字が。中越地震の震源となった場所を、逆に観光に使ってしまおうという逞しさが凄いですね。
なんか恒例になってきたソフトクリーム激写。今回はジェラートなんですけどね、ラムレーズンを選択。ここまで来れば、出発地点の道の駅「ゆのたに」までの残りの距離はいくらもありません。一番暑い時間帯なのでゆっくり休憩していくことにします。
小一時間ほどの休憩した後、道の駅「越後川口あぐりの里」を出発します。交通量が多い上に歩道どころか路側帯すらない国道17号の和南津トンネルを避けて、魚野川右岸の県道333号線へ進みます。中越地震後、暫く通行止めでしたが、今回はなんの通行規制も有りませんでした。初めて通る県道333号線から見る魚野川は、新鮮な景色です。
根小屋橋で一旦魚野川左岸に移動します。根小屋橋の上から見た魚野川(上流方向)。これは初めて見る風景。[左]
暑くて誰も出歩いてないのか、閑散とした堀之内のメインストリート、国道17号の旧道です。ここは自転車でも何度か通った道です。一回、お祭りの時に通りかかったときは、賑やかだったんだけどなぁ。[下]
堀之内から小出まで、そのまま魚野川左岸を走り、小出で再び魚野川右岸へ。出発地点の道の駅「ゆのたに」までは、残り2kmもありませんし、急ぐ必要もありません。魚野川の河川敷に降りてみることにします。よく見ると、結構な人数が魚野川に入って釣りをしています。狙いは何でしょうね? 鮎?
走行経路2、羽黒隧道から小千谷、越後川口の走行経路です。GPSログはこちら「log080713-1.gpx」です。カシミール3DやGoogleEarthでご覧下さい。
地理院地図によるルート表示はこちら(別Windowで表示します)。
ルートプロファイルです。走行距離は66kmちょっと、高低差は+1186m、−1213mでした。アップダウンが前半に集中していて、小千谷駅に降りてくる頃には、もう脚が売り切れという感じでしたけど。
5,6,7月と3ヶ月連続での新潟ポタリングレポートとなりました。中越地域に集中しすぎな感もありますが、それでもまだまだ見たことのない風景が確実に広がっているのも確かです。次はどの辺りと走ろうかな? 久しぶりに平野部? それとも頸城丘陵? うーん、迷いますねえ。
All Photographs by Ryo Masuda 2008.
Took a photograph with IXY DIGITAL 810IS by Canon.
Special Thanks 'ViX Ver.2.11.148.0'.1998-2002.
この記事は[2024.01.08]に加筆修正しました。
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Ryo Masuda / myDNS.jp / ryo-kun@fc4.so-net.ne.jp